安保ウォッチング 

国家機関総ぐるみの「周辺事態法」

 唐突だが、最近、驚いたことについて記してみたい。

まず、次の官庁のリストを見ていただきたいーー

 「国の行政機関及び特別の機関」

    一 総理府

    二 国家公安委員会

    三 警察庁

    四 総務庁

    五 北海道開発庁

    六 防衛庁

    七 経済企画庁

    八 科学技術庁

    九 環境庁

    十 沖繩開発庁

    十一 国土庁

    十二 防衛施設庁

    十三 法務省

    十四 公安調査庁

    十五 外務省

    十六 大蔵省

    十七 国税庁

    十八 文部省

    十九 文化庁

    二十 厚生省

    二十一 農林水産省

    二十二 食糧庁

    二十三 林野庁

    二十四 水産庁

    二十五 通商産業省

    二十六 資源エネルギー庁

    二十七 運輸省

    二十八 海上保安庁

    二十九 気象庁

    三十 郵政省

    三十一 労働省

    三十二 建設省

    三十三 自治省

    三十四 消防庁

 いったい、これは何なのだ?

「省」で入ってないところはない。「庁」では、入ってないのは、宮内庁、特許庁、社会保険庁、中小企業庁といったところくらいである。これは「政府機関総ぐるみ」と言っていい。

 で、この「リスト」は、「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律第三条第一項第四号の関係行政機関を定める政令」(政令第二百五十三号)で定めたものである。

 この政令の公布日は、「周辺事態法」を施行期日を8月25日とすると定めた8月18日の政令(政令第二百五十二号)が公布されたのと同じ8月18日である。

 この「リスト」は実は「周辺事態法」に出てくる「関係行政機関」を具体的に定めたものなのであった。

 「周辺事態」にあたって、第二条で「関係行政機関の長は」(後方地域支援としての)「対応措置の実施に関し、相互に協力するものとする」とされている。また、第八条では「対応措置を実施するものとする」とされている。したがって、「周辺事態」にはこれらの省庁が「動員」されるということなのである。

 また。第九条では、「関係行政機関の長は」「地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる」としており、さらに「国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができる」とされている。この「例示」として政府は十一項目しか、提示していなかったが、実はこの「リスト」に掲げられている三十四もの省庁から「協力」が「求められ」、「依頼」されるということなのである。

 これはまさに「国家総動員」と言って過言ではない。この際、この法律がこれだけの広がりと深さをもった「国家総動員法」だということを銘記する必要があろう。


         
         

松尾 高志


      

この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
平和新聞の購読希望者は03(3451)6377までお問い合わせください。