航空自衛隊と在日米空軍は4月21日から5月2日にかけての12日間、初めての空中給油訓練を実施した。
この共同訓練は新田原基地(宮崎県)から発進した航空自衛隊のF15戦闘機に対して、九州南方空域・四国沖空域で、嘉手納基地(沖繩県)から発進した米空軍のKC135空中給油機が空中給油
を実施するというもの。また周辺の警戒のため、浜松基地(静岡県)所属のE-767(AWACS=早期警戒管制機)1機が付近に滞空した。
訓練の目的は、防衛庁によれば、空中給油機の運用要領と受油側の運用要領などの研究のため、とされている。このため、今回の訓練では32回程度の訓練のうち約半数の訓練では、F15戦闘機に
は米空軍の教官が、空中給油機には航空自衛隊員が搭乗する。航空自衛隊では今回の訓練で空中給油を受けることができるパイロットを8人養成する。(「朝雲」4月17日付)
さらに、5月に三沢基地(青森県)を中心に航空自衛隊と米空軍の間で日米合同演習「コープ・ノース」が実施されるが、この際にも空中給油訓練を実施すると報じられている。
また、6月にはアメリカ本土のアラスカ州で実施される米空軍主催の「コープ・サンダー」演習に、航空自衛隊としては初めてF15戦闘(6機)を参加させることにしており、今回の訓練はこの際、参加する15戦闘機は米空軍の空中給油を受けながら、太平洋を横断するための準備訓練として位置づけられている。なお、同演習にはCー130輸送機3機を含めて、人員約300人が参加する。
防衛庁では06年度まで毎年1回程度の空中給油訓練を実施する計画である。というのは、06年度末には航空自衛隊としては第一号の空中給油機が導入されるからである。
02年度予算で1機(ボーイング767)、また03年度予算で2機目の空中給油機を発注しており、合計4機保有する計画である。空中給油機は約20時間の飛行が可能で、飛行中の戦闘機に対して高度約7000メートルの上空で給油ノズルで給油する。
これまで自衛隊では新しい機種を導入する際には、導入後に訓練を開始しており、今回初めて、導入以前に「前倒し」で実施された。
来月に予定されている米空軍主催の多国籍演習「コープ・サンダー」について、「産経新聞」(5月4日付)は次ぎのように報じている――
防衛庁では空中給油機の導入によって、(1)戦闘機の滞空時間を延ばすことによって戦闘空中哨戒(CAP)が可能となり、防空能力が向上する、(2)訓練空域と基地を往復する回数が減り、訓練
の効率が向上するなどを強調しているが、今回の太平洋横断によるアラスカまでの無着陸飛行が示しているように、(3)戦闘機の航続距離を大幅に延ばすことによって、航空自衛隊は渡洋攻撃能力を
獲得することになるのである。
「軍拡による平和」、「軍事力による威嚇による平和」という日本政府の姿勢を厳しく批判することが必要であろう。
03/5/6記
松尾 高志