「国民保護法制」(民間防衛)の
           政府による「根回し」進む(03/3/5)

 有事法制の重要な柱の一つである「国民保護法制」(民間防衛)についての動向を整理しておく。
 昨年8月1日に有事法制に関する全省庁局長会議が開催され、内閣官房内に課長級による7個の作業チームが発足した。この中の第一のチームが国民保護法制の担当である。

 これとほぼ時を同じくして8月8日に防衛庁は「防衛庁国家緊急事態対処検討会議」を設置した。これは内閣官房の作業に連動して防衛庁として有事法制の策定準備を推進することを目的としたもので、やはり内閣官房と同じく7項目の検討作業を実施することとした。当然ながらこの中に国民保護法制が含まれている。
 初めて国民保護法制についてのペーパーが提示されたのが、10月8日に開催された全国知事会での席上であった。ここにはA4サイズで4枚の国民保護法制についての「素案」が提示された。
 その後、内閣官房は11月に入って、国民保護法制についての
「輪郭」と称するペーパー(A4サイズで5枚)を作成し、11月11日の衆議院有事法制特別委員会の開催後の理事懇談会で政府側がこれを提示した。12月の与党3党の幹事長・正調会長会議はこの「輪郭」をより明確化した「骨子」を策定して、通常国会で有事関連法案審議が再開される前に示すよう政府に求めた。
 これにもとづき、今年1月17日に政府は首相を除く全閣僚からなる「国民保護のための法制に関する関係閣僚会議」を開催して、「骨子」作成のための手続きとして、自治体・指定公共機関予定団体への説明会を開催することを確認した。
 そして通常国会招集日の1月20日には総務省で全都道府県の担当部長を集めての説明会、29日には全国市長会、30日には全国町村会で説明を実施した。1月下旬からは指定公共機関予定団体に対しても個別に説明会を順次に開催して、2月中旬までに一連の手続きを終えた。内閣官房は「説明資料」として約20枚のチャートを準備して説明会に臨んでいる。
 報道によれば、政府は4月中旬に「骨子」をまとめ、国会、地方自治体に提示する方針を固めた(「共同通信」2月9日付)という。この国民保護法制は約200条にも及ぶ膨大な法律案となるとされているが、その要綱が準備されているのである。
 政府の「コンセンサス」を獲得しようとの根回しが着々と進んでいることに注意をはらう必要がある。

 

03/2/24記
松尾 高志

この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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