アメリカの「対テロ戦争」に参戦している海上自衛隊が2月10日から12日まで、アラビア海での作戦を報道陣に「公開」した。この中で注目される点について、指摘しておきたい。
●米海軍の洋上補給艦への洋上補給
海上自衛隊の洋上補給艦「ときわ」からアメリカの洋上補給艦(艦名は公表せず)への洋上での燃料補給が「公開」された。この作戦行動には海上自衛隊の護衛艦2隻が随伴していた。この間、護衛艦「きりしま」は「レーダーを駆使して不審な航空機や不審船などの動きを警戒」し、護衛艦「はるさめ」は「搭載している哨戒ヘリコプターを飛ばし、上空から監視にあたった(「読売新聞」2月12日付)。ある海上自衛隊幹部は「補給中は米軍の艦艇も無防備となる。こっちが守っている感じだ」と述べたという(「朝日新聞」2月14日付)。
バーレーンの第5艦隊司令部の補給担当のエリオット大佐によると、「日米間の洋上補給は北アラビア海で実施され、燃料を受けた米補給艦1隻がその周辺や北アフリカ付近にいる米艦艇に補給している」とのことである(「東京新聞」2月14日付夕刊)。
●対テロ対処
護衛艦「きりしま」の艦上では「防弾チョッキを着た乗員が自動小銃を携え、周辺の洋上の警戒にあたっていた」(「朝日新聞」2月11日付)。
護衛艦「はるさめ」では機関銃の射撃訓練が実施された。「機関銃は日本近海では格納庫のしまい込まれている。ここでは両舷に据え付けられ、24時間、人員が配置される」(「朝日新聞」2月14日付)。「昨年11月、派遣されていた艦船が夜間航行中、国籍不明の小型船に高速で接近されたことがある。『突っ込まれる』と、誰もが緊張したというが、数百メートルに迫った小型船にサーチライトを浴びせると、針路を変えた。当時、その近くでも、ギリシア艦やオランダ艦が、接近した小型船に警告射撃をしなければならない事態が起きていた。一瞬の油断もできない海域だ」(「読売新聞」2月12日付夕刊)という。
●連絡将校が米第5艦隊司令部に勤務
バーレーンのマナマにある中央軍指揮下の米海軍第5艦隊司令部に、「対テロ戦争」の「作戦に参加する16カ国の連絡官が詰める調整所があ」り、「体育館のような建物には英、独、仏などの国旗にまじって日の丸が掲げられ、海自の連絡官2人が勤務。米軍の要求を東京の海上幕僚監部にメールで送り、洋上補給の実施海域、時間などを決めるのが毎日の仕事」となっている(「東京新聞」2月14日付夕刊)。現在、この指揮範囲の海域にはイラク攻撃準備の艦艇を含め、米軍だけで48隻、それに16カ国で合計98隻の軍艦が集結しているという。
日本国内は確かに「平和」だが、この国の海軍=海上自衛隊はまぎれもなく、アメリカの「対テロ戦争」に参戦しているという現実を直視する必要があろう。
03/2/19記
松尾 高志