閣僚レベルでオペレーションプランを承認
――日米安全保障協議委員会(03/1/25)
02年12月16日、日米安保条約の運用における最高の意思決定機関である日米安全保障協議委員会(通称「2プラス2」)がワシントンの国務省で開催された。
この会合は01年秋に開催することが予定されていたが、9月11日の米中枢同時テロ発生のため、キャンセルされ、02年に繰り越しされたものである。前回は00年9月開催であり、約2年ぶり、ブッシュ政権になってからは初めてのこととなった。
日本側からは川口外務大臣と石破防衛庁長官、米側からはパウエル国務長官、ウォルフォウィッツ国防副長官(ラムズフェルド国防長官が風邪のため代理)が出席した。
今回の日米安保協議委員会は、ブッシュ米大統領が推し進めている「対テロ戦争」の最中であり、ペンタゴンがイラクへの攻撃準備を進めているなかで、また、朝鮮半島で核開発問題をめぐって外交戦が熾烈に展開されているなかで開催された。
イラク問題では、日米両国が緊密に協調していくことについて確認するとともに、日本側は国会答弁では一切ふみこまなかった戦争協力について、政府として現在、戦後処理を含めて検討している内容について公式に伝えたと報道されている。
日米安保協議委員会の協議の後に発表された「共同発表」ではこの点について、「(9・11テロが)日米両国のみならず国際社会全体に対し重大な脅威を及ぼしたことに意見が一致した」とし、「今後も行動と協力を継続することが依然として最も重要であることにつき一致した」(第2項)と両国の「一致」を強調している。
核開発問題については朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して、強いシグナルを発していることが注目される。
「共同発表」ではこの問題について、「大量破壊兵器の使用があれば最も重大な結果を招くであろうことを強調した」(第6項)と記述された。この「最も重大な結果(the
gravest consequences)」という文言は対抗手段としての武力行使の可能性を示唆するものであり(「共同通信」02年12月16日配信)、米国側が協議開催直前になって追加するよう主張したもの(「産経新聞」12月17日付夕刊)であるという。
また、このことは報道では全くふれられなかったことであるが、第8項で、「閣僚は、日米防衛協力のための指針の下での日本に対する武力攻撃に際しての共同作戦計画についての検討及び周辺事態に際しての相互協力計画についての検討が引き続き進展していることを歓迎した。閣僚は、計画についての検討の更なる充実を追求していくことを決定した」との記述は重要である。
というのは、軍部の立案している(planning)作戦計画について、日米の閣僚レベルの安保協議委員会でオーソライズしたのはこれが日米安保史上初めてのことであるからである。旧ガイドラインでは作戦計画は「研究」にとどまっていたため、日米の軍のトップの文書への調印で終了していた手続きが、今回、新ガイドラインでは「検討」(planning
)に格上げされたため、01年に軍のトップレベルでの文書への調印を経て、今回の措置となったわけである。この中で「相互協力計画」とは周辺事態に対応したものであるが、その中身は朝鮮半島における戦争を想定したものであり、すでに周辺事態法などにより、法的な整備は終わっており、またそれとリンクした内容である「武力攻撃事態」に対応した「共同作戦計画」についての法整備が現在、国会で継続審議となっている「有事法制」である。
こうした文脈の中で有事関連3法案を小泉政権は1月20日に開会される国会での成立をはかっているのである。
*インターネットバージョン
03/1/14記
松尾 高志
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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