ブッシュ米大統領訪日と日米共同軍事演習(02/3/15)
ブッシュ米大統領が日本を訪問しているまさにその時、自衛隊と米軍は周辺事態と日本有事を想定した指揮所演習を実施していた。これは日本政府が行動をもって、日米同盟を強化するとのシグナルを発したものと言えよう。
この演習は「平成13年度日米共同統合演習(指揮所演習)」であり、この演習の米側呼称は「キーン・エッジ02」演習である。これは一年おきに実動演習と指揮所演習を交互に実施しているものであり、日米合同演習としてはトップ・ランクの演習である。
自衛隊統合幕僚会議の発表によれば、この演習の概要は以下のとおりであった――
演習期間=2月16日から20日までの5日間
演習目的=「我が国防衛のための自衛隊・米軍の共同対処及び周辺事態に際しての自衛隊の対応と日米協力にかかわる指揮幕僚活動を演練し、共同統合運用能力の維持・向上を図る」
演習実施部隊
自衛隊側=統合幕僚会議事務局、情報本部、内部部局、陸上・海上・航空各幕僚監部、各方面総監部等、各地方総監部等、航空総隊司令部、航空支援集団司令部等(約450人)
米軍側=在日米軍司令部、在日米陸軍司令部、在日米海軍司令部、在日米空軍司令部、在日米海兵隊部隊等(約450人)
日米あわせて主な司令部の指揮官、幕僚が900人も参加していることはこの演習の重要性を示すものである。指揮所演習であるから兵は動かさないで高級将校が図上演習を実施するのである。
自衛隊は市ケ谷(東京)の中央指揮所を中心として、米側は横田(東京)の在日米軍司令部指揮所を中心として、竹河内統合幕僚会議議長とワスコー在日米軍司令官がそれぞれ統裁官を勤めて実施された。
重要なことは前回に外務省担当者が視察したのに引き続き、今回はそれに加えて、国土交通省、厚生労働省、海上保安庁、警察庁の5省庁の担当者のべ36人がこの演習を視察したことである。このことは「しんぶん赤旗」(2月28日付)の報道によって明かになった。これは「周辺事態」の際の「周辺事態法」第8条(関係国家機関の協力)に基づくものであり、「日本有事」の際の関係国家機関の協力の法的根拠なき実施である。
この「周辺事態」に対処する「相互協力計画」と「日本有事」に対処する「共同作戦計画」は、「神奈川新聞」(01年9月3日付)によれば、すでに概要が固まっている。その作業は日米の軍部のみが組織する「共同計画検討委員会(BPC)」の場によって実施されてきていたものである。
日米安保体制はいっそう危険な海域に進みつつある。こうした軍のオペレーションを可能にするのが「有事法制」である。予算案が国会を通過すると、小泉内閣はその法案を上程するとのスケジュールでことを進めている。「有事法制」の法制化を許さない運動はまさに正念場を迎えている。
02/3/6記
松尾 高志
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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