日米の戦略対話 はじまる(02/2/25)
防衛庁とペンタゴン(米国防総省)との間での「戦略対話」が開始された。
2月8日、ワシントン市内の米国防大学で開催された初の日米審議官級協議がそれである。この協議に参加したのは日本側からは、増田防衛庁審議官らの内局幹部(シビリアン)に加え、陸、海、空各幕の防衛課長らの制服組(ミリタリー)が、米側からは、ブルックス米国防次官補代理(アジア・太平洋担当)や国防情報局、統合参謀本部の担当者らで、こうした政策協議に制服組を加えたのは初めてのことである。
これは先に行われた日米防衛首脳会談(中谷・ラムズフェルド、01年6月)で合意していたもので、日米の軍事戦略レベルの政策調整を実施するために継続的に開催することとしている。
報道によれば、この協議で討議された内容は次のようなテーマであった――
●QDR(4年ごとの国防計画の見直し)
●ミサイル防衛(NPRを含む)
●東アジア地域情勢(朝鮮半島を含む)
●日本の有事法制
●防衛計画の大綱の見直し作業
米国防総省はブッシュ政権の下で、ラムズフェルド米国防長官の指示により、これまでの核戦略を含めた軍事戦略を「包括的に見直す」作業に着手しており、軍事革命(RMA)の推進をベースとした軍の「トランスフォーメーション」(変容)を進めている。ブッシュ米大統領はこれを「21世紀に対応した軍事戦略」の構築と称しており、防衛庁としても、こうした米軍の動向に沿って、自衛隊の戦略を形成することとしていることから、戦略のレベルでの対話・協議を求めていたものである。
また、これと連動して、「対テロ」戦争の遂行にともない移行期に入った新たな日米安保体制の構築、日米同盟の強化を視野にいれてもいる。
こうした防衛庁・自衛隊の動向は、ペンタゴン・米軍が「対テロ」戦争の遂行とトランスフォーメーションを同時並行で推進しているのに照応していると言える。
これに関連して、2月14日には防衛庁で、日米IT(インフォーメーション・テクノロジー)フォーラムが開催された。
日本側から西川防衛参事官(IT担当)をはじめとして内局ITグループのほか、制服組(ミリタリー)の陸、海、空、統幕の担当者らが、米側からはステンビット国防次官補をはじめとしてペンタゴン、在日米軍、在日米大使館らの担当者が参加した。
これは00年9月の日米防衛首脳会談(虎島・コーエン)で設置の合意をみていたもので、これから継続的に開催される。IT分野は米軍が推進している軍事革命の基盤技術となっているものであり、米軍としても同盟軍とのインターオペラビリティ(相互運用性)を重視しており、また、自衛隊もこれに追随して自衛隊の変革を推進することとしていることから開催されたものである。
こうした軍事レベルの日米共同運用体制の強化に連動して、小泉・ブッシュ会談が開催されることに配視すべきであろう。
02/2/15記
松尾 高志
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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