自衛隊と警察が合同で治安出動訓練開始(02/11/25)
防衛庁と警察庁は、両庁創設以来初めて、「治安出動」を想定した陸上自衛隊と警察による合同訓練を10月下旬に実施する、と「読売新聞」(10月2日付および14日付)が報道した。
この報道によれば、訓練のシナリオは北海道の沿岸から武装工作員が侵入し、北海道警察が捜索中に銃撃戦で警察官の被害が続出、首相が治安出動を発令して、陸自北部方面隊と道警が共同して工作員を掃討するというもので、(1)警察力だけで対処するケースと(2)自衛隊に治安出動が発動され、自衛隊と警察が共同対処するケースに分けて実施されるという。
訓練は図上演習方式で、陸上自衛隊北部方面総監部(札幌・北海道)で実施され、陸上自衛隊北部方面隊と北海道警察が参加となっている。
この種の訓練は来年度以降、全国の陸上自衛隊と都道府県警察との間でも実施され、図上演習だけでなく、実動演習も実施することとなっているという。
これは、新たに「ゲリラ・コマンドウ攻撃」対処が新ガイドラインよって自衛隊の任務として付与され、そのことに基づいて2000年12月4日に「治安出動の際の治安維持に関する協定」(防衛庁と国家公安委員会との間の協定)が改定されたことを受けたものである。(本欄・2000年12月15日号参照)
この問題に関して、さる9月の内閣改造で新たに防衛庁長官に就任した石破氏は9月30日に行われた最初の記者会見で次のように注目すべき発言をしている――
(1)(テロ特別措置法制定時の自衛隊法改正で)「情報収集活動という新しいものを作った、警護出動という新しい概念を作った、加えて治安出動の要件を改正した次第です。そうしますと、私自身
は今ある法律の中でどこまで実際できるのだということを追及したい、明らかにしたいと思っています」
(2)「そして法解釈だけではなくて警察庁とともに運用がどこまでできるかということを明らかにした上で、なお足らざる部分があれば(自衛隊)法改正は必要だと考えております」
(3)「治安出動にしても基本的に警察官職務執行法の範囲内でやるわけでありますから、その中でどこまでできるかという検証を急ぎたいと思います」
まさに、幹部自衛官とのパイプの太い石破氏ならではの発言である。前述した新聞報道はこの発言の後のことである。ここで注目しておくべきことは自衛隊法の改正まで視野にいれているという石破
防衛庁長官のスタンスである。
「抑止力」強化を推進する石破防衛庁長官の新ガイドライン路線の推進は、まさにタカ派・小泉内閣の政策であるのである。「抑止力」の強化、軍事力の強化こそが「平和への道」であるというロジ
ックが小泉内閣の政策であるということをみすえなければならない。
02/10/18記
松尾 高志
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
平和新聞の購読希望者は03(3451)6377までお問い合わせください。
|