日米安保協議――ミニSSC開催(02/11/5)

 日米安保高級事務レベル協議(SSC)の下の審議官レベルの会合(ミニSSC)が10月23日(現地時間)、ワシントン近郊のペンタゴン(米国防総省)で開催された。

 出席者は日本側から飯原防衛庁審議官、長嶺外務省北米局参事官など、米側からローレンス国防次官補代理、ラフルーア国務副次官補などで、対テロ戦争、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核開発、イラク情勢などの問題が討議された。

 対テロ戦争については、米側から今後も長期にわたり継続する見通しであることが説明され、日本側は11月19日に自衛隊の派遣期限ぎれとなる期限を、さらに6カ月(来年5月19日まで)延長する方針であることを伝えたものとみられている。

 対テロ特別措置法にもとづく海上自衛隊によるインド洋上での米英両国海軍艦への燃料補給は、開始から9月27日までに延べ116回(うち米軍111回、英軍5回)、合計約20万キロリットル(約72億円分)を無償提供したこととなり、航空自衛隊による輸送支援は国内米軍基地間79回、グアムなど国外15回となっている(「赤旗」10月7日付)。米海軍が消費した燃料の約40パーセントを日本が提供した計算となるという(「朝日新聞」10月8日付)。この量は海上自衛隊の全艦艇の1年間の使用量に相当する。日本政府は非公式に米側から要請のあった米英両国以外の海軍(独、仏、豪など)の艦艇にも洋上補給することを検討しており、このミニSSCでは「然るべきタイミングで」日米間の調整委員会を開催
することで意見が一致しているため、この場で正式な方針が示されることとなろう。

 また、緊迫の度を増しているイラク情勢についても米側から説明を受けており、今後も引き続き日米間で協議していくことで意見の一致をみている。

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が濃縮ウラニウムによる核開発を認めたことをめぐっては、米側からは米朝枠組み合意を含む国際約束の重大な違反だとしつつも、枠組み合意を今後どうするかに
ついては何ら決定されていない旨の説明があり、日本側は国交正常化交渉で核開発問題を含む安全保障上の問題を拉致問題とともに最優先課題として取り上げる方針であること、またこの安全保障問題
について進展がなければ正常化交渉を進めることは考えていないと説明し、日米韓3国で緊密に連携して対応するとの方針を説明した。

 この他、ミサイル防衛についても討議され、米側は日米共同技術研究で、研究段階から共同開発の段階への移行の決断を日本側に促したと報道されている(「朝日新聞」10月24日付夕刊)。

 昨年のテロにより、延期されていた日米安保協議委員会(2プラス2)について、「然るべきタイミングで」開催する方向で日程などの調整を行うこととした。日程は12月中旬にする方向であると
のことである。

 さらに、日本側からは有事法制の進展状況についての報告がなされ、米側と意見の交換が行われてもいる。

 小泉内閣はブッシュ政権の新軍事戦略に沿って、日米同盟を強化する方向で安保政策を推進しており、よりいっそう危険な道へのめり込みつつあると言えよう。

02/10/28記
松尾 高志

この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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