参戦自衛隊の行動は秘密(02/1/25)
ブッシュ米政権が開始した「対テロ」戦争が展開されている中、自衛隊は一体、どこで何をしているのか? テロ対策特別措置法にもとづいて兵站分野で戦争に参加していることは確かであるが、全く国民にはかくされたままである。
抽象的な文言をならべただけの基本計画は公表されたが、自衛隊の作戦行動を具体的に規定している実施要項は公表されず、防衛秘密のとばりに包まれている。国民に公開されたのはA4版のペーパーでたったの2枚の「概要」だけである。
今回の自衛隊の「対テロ」戦争の戦費は昨年11月の補正予算で計上されている限りでは152億6000万円である。これでオペレーションに必要な燃料、特別手当て、器材の購入などが賄われることになっている。
なぜ、防衛庁は自衛隊の作戦行動について公表しないのか?
それはそれを明かにすることは、米軍のオペレーション(作戦)に支障をきたすからだという。ペンタゴン(米国防総省)は記者会見でもオペレーションについては一切、ノーコメントであり、軍事機密の壁は厚い。防衛庁はその堅いガードにがっしりと組み込まれているわけである。自衛隊の後方活動のみならず、広報活動についても日米共同作戦が実施されているということである。
防衛庁が発表した限りでは、自衛隊は以下の活動を行っていることになっている(「朝日新聞」1月16日付による)。
●海上自衛隊の補給艦による米海軍艦艇への洋上燃料補給
12月2日から20日までの間に、艦名を秘匿した米海軍
の艦艇(補給艦、駆逐艦、ミサイル巡洋艦)に、「はまな」
が8回、「とわだ」が4回実施。洋上補給の位置は「インド
洋」というだけで詳細は不公表。
補給した艦艇用燃料は約1万1000リットル。価格にして
約6億円(これは日本政府の負担で米軍に無償提供)。
●航空自衛隊の輸送機による米軍物資、兵員の輸送
11月29日から今年の1月15日までの間に、(1)日
本国内の米軍基地間の輸送を延べ9機で運行、(2)日本
国内の米軍基地と国名を秘匿した外国の米軍基地間の輸送
を延べ6機で運行。輸送機の機種はC―130輸送機とU
4多用途支援機。(これらの輸送費用は日本政府負担)。
これだけである。
「毎日新聞」(1月16日付)によると、自衛隊の洋上補給を「日米関係筋」はインド洋上の「無料ガソリンスタンド」と呼んでおり、米政府高官によれば「日本の給油は本当に大きいよ、あそこの油をすべて賄っているのだからね」と言うことであるそうだ。給油のために計上してある予算は80億円という。この燃料をどこで調達するのかは不公表である。自衛隊の補給艦は護衛艦が護衛しており、洋上補給中の護衛(補給される米艦艇を含む)も自衛隊の任務である。このことについては一切の発表がない。
このほか、陸上自衛隊が12月6日から14日まで、在日米陸軍司令部のあるキャンプ座間(神奈川県)と陸軍補給廠(同)で、警護出動訓練を実施している。この訓練内容もまた秘密である。
また、12月24日には海上自衛隊のタグボートが米海軍横須賀軍港(神奈川県)で、入港したミサイルフリゲート「ゲアリー」の接岸を支援した。港湾業務の初の実施である。
さらに近く、自衛隊はイギリス軍にも支援を開始するが、詳細は
明かではない。
パウエル米国務長官は今度の戦争を「見えない戦争」だと言ったが、実は「見せない戦争」なのである。軍の行動は完全に軍の報道管制の下におかれているのが現実である。われわれが国民の「知る権利」が軍事合理性の下に蹂躙されているのだということをどこまで感じているのか? その感性が問われてもいると思う。
*これは紙面では字数制限のため削除した箇所が元の
原稿のままとなっているインターネット版です。
02/1/17記
松尾 高志
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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