中谷防衛庁長官、東チモール視察に(01/9/15)

 東チモールへの自衛隊PKO(平和維持活動)部隊の派遣をめぐ って、9月から開会の臨時国会でのPKO法改正問題が浮上している。

 東チモールでは8月31日に制憲議会選挙が行われ、現在、その 集計中で、順調に進めば9月10日に結果が発表される。

 8月17日に山崎自民党幹事長がインドネシアで、ユドヨノ調整 相と会談した際、ユドヨノ氏は自衛隊の東チモール派遣に強い期待 を表明し、山崎氏も自衛隊派遣に意欲を示した(「産経新聞」・8 月31日付)という。また、杉浦外務副大臣は8月30日に東チモ ールで独立運動の指導者グスマン氏、国連東チモール暫定行政機構 (UNTAET)のデメロ事務総長特別代表と相次いで会談し、自衛隊を PKOの軍事部門へ参加させたいとの意向を伝えた。

 防衛庁ではすでに2名の幹部自衛官を東チモールに派遣している が、中谷防衛庁長官が9月10日からインドネシア、12日から3 日間、東チモールを訪問することを計画している。8月28日の閣 議後の記者会見で「新たな国づくりのために日本がお手伝いできる 点があるかどうか、どういう貢献ができるのか」、「その点をこの 目で見て確認してまいりたい」と中谷防衛庁長官は述べている。

 PKO法については、現在、
(1)凍結されている本体業務(平和 維持軍=PKF)の凍結解除、
(2)参加5原則の「当事者間の停 戦合意」事項、
(3)同じく参加5原則の「武器使用」事項につい て、改正することが「課題」として浮上してきている。

 与党3党の幹事長・国対委員長は8月30日の会談で、 (1)の ためのPKO法改正を目指すことを確認した。これは議員立法の形を とるものとみられている。

 しかし、新たに浮上してきた(2)と(3)の問題についてはま だ与党3党間でまだ合意をみていない。

 (2)については、PKO法成立後の実際の世界のPKO (平和維持活動)の実態が変化してきており、それに現在のPKO法が適応した ものとなっていないという基本的な問題と同時に、東チモールの場 合、現行の原則を変更しないと派遣できないのかどうかについて、 意見の違いがある。

 また、(3)については防衛庁では、武器使用の制限の「緩和」 と、「自隊防護」のための武器使用から一歩踏み出して、他国の PKO部隊の防護も可能とすることが必要と主張しはじめている。

 この(2)、(3)については、与党の安保プロジェクト・チー ムの会合が開催されておらず、合意が得られていない。

 従って、防衛庁では現行のPKO法の枠内での東チモールへの自衛隊の派遣が可能かどうかの検討も実施しているが、同時に与党3党 に対して、PKO法の抜本改定を要請している。

 他方、8月28日、中谷防衛庁長官はフィリピンのレイエス国防 相と防衛庁で会談し、席上、日本やフィリピンに米国なども加えた 多国間共同演習について、「積極的参加を検討していきたい」との 考えを示した(「しんぶん赤旗」・8月28日付)。

 これらはアメリカの強い要望でもあり、「新ガイドライン路線」 の推進でもある。こうした危険な展開にひとつひとつ的確に対処していく必要があろう。

 

01/9/5記
松尾 高志

この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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