東チモールに自衛隊PKOを派遣か(01/8/5)
防衛庁は7月16日、東チモールに陸上自衛隊の幹部自衛官2名を派遣すると発表した。
この幹部自衛官は陸幕運用課と陸幕調査課のそれぞれ2陸佐で、17日付で外務省に出向、その後、外務事務官兼2陸佐の身分で、 在ディリ日本政府連絡事務所に赴任する。任務は東チモールの治安情報の収集、分析及び評価で、自衛官は国連東チモール暫定行政機構(UNTAET)の軍事部門と連携することとなる。
これはさる6月訪米した中谷防衛庁長官が、ラムズフェルド米国防長官との会談(ワシントン・22日)にさきだち、21日に国連本部(ニューヨーク)を訪問、フレシェット国連副事務総長、ゲエ
ノ国連PKO局長、PKOスタッフと会談、「防衛庁長官として初めての実務的話し合い」(中谷防衛庁長官)をするという手順をふんで、 行われたものである。
この国連での協議で、中谷防衛庁長官は、
(1)秋の臨時国会で防衛庁職員派遣法を改正したうえで、国連PKO局に幹部自衛官を派遣したい、
(2)これから防衛庁として積極的にPKO活動にとりくんでいくので、より詳しくPKO活動について調査・協議するために課長級のミッションを国連PKO局に派遣したい、
(3)東チモールへの自衛隊の派遣について、防衛庁長官として現地を訪問したい、 また、防衛庁としても調査したい、と述べた。
この中で中谷防衛庁長官は、現在のPKO法では派遣した自衛隊の武器使用について「自己防衛」との制約があり、他国の隊員を守ることができないとのは「個人的に問題がある」との認識を述べ、この点での法改正についても言及した。
さらに、翌22日に記者団との懇談の席上、中谷防衛庁長官は現在のPKO 法の改正点として、これに加えて、参加5原則の第二項の「紛争当事者の参加同意が必要」とされている点についても、「東チモールでは、紛争当事者がだれか分からないため、法が足を引っ張って派遣できない」(「産経新聞」6月23日付)と述べ、参加5原則の見直しが必要だとの認識を示した。
PKO法の改正については、これを引き継ぐかたちで、山崎自民党幹事長が7月2日、都内ホテルでの講演で、今秋の臨時国会にPKO法の改正案を提出し、PKO参加5原則の見直す方針を明かにした。
政府・自民党ではすでに5原則の見直しを柱とする改正案をまとめていると報道されている(「日本経済新聞」7月3日付)。
こうした東チモールへの自衛隊の本格的な派遣、それを突破口として大きくPKO法を改正するという政府・防衛庁の動向のまさに 「斥侯」として、2名の幹部自衛官が東チモールに派遣されることになったのである。
こうした新たなPKO活動の拡大は、すでに本欄でもフォーリー駐 日大使の防衛大学校での講演の内容を紹介したように、強いアメリカの要求にも応えるものであることは言うまでもない。
これは「新ガイドラインPKO」の推進とも言うべきものであって、 注視しておかなければならないと考える。
松尾 高志
2001.7.27記
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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