ブッシュ新軍事戦略――ラムズフェルド国防長官と会談(01/4/25)
ブッシュ新政権の軍事戦略の「包括的見直し」(トップトゥボトムレビュー)の第1回トップ会談が3月21日、ホワイトハウスで開催された。ブッシュ大統領とラムズフェルド国防長官は1時間30分にわたってこの問題について検討した。これは「ワシントン・
ポスト」紙(3月23日付)が明らかにした。
ホワイトハウスのフライシャー報道官は23日の記者会見で、このことについて確認するとともに、ラムズフェルド国防長官はこの会談で、なんらかの「勧告」を行ったものではなく、「まだ見直しの過程の始まり」だとの認識を示した。ペンタゴンのクイグリー報道官も、これは大統領の「承認」を求めたものではない、と述べている。
この「見直し」はブッシュ大統領が2月初旬にラムズフェルド国防長官に正式に指示していたもの。ラムズフェルド国防長官はアンドリュー・マーシャル氏(79才)をトップとするペンタゴン内のシンクタンクに相当する国防省総合評価局に、このブッシュ大統領の指示にしたがって、作業するよう命じていた。
この軍事戦略の「包括的な見直し」は、戦略核戦略を含むすべての戦力レベルにおよぶもので、長期のビジョンにたったものとされている。
この検討内容には次のことが含まれている、と報道されている― ―
○ 仮想敵は何か?
○ 将来の戦争の性格はどういうものか?
○ 同時にいくつの紛争に対処すべく準備すべきか?
○ そのためにはどのような兵力、装備が必要か?
この作業の内容はガードが固く、外部にはなかなか漏れてきていない。
マーシャル国防省総合評価局顧問は1949年にランド研究所に入所して冷戦期に核戦略を担当し、73年にペンタゴンに移籍して以来、ニクソン政権から今日まで総合評価局に在籍してきた「異能」の人で、クリントン政権時代には冷遇されてきたが、アーミテージ現国務副長官が大統領選挙期間中にブッシュ氏につないだとされている。彼は冷戦時代の脅威とは異なって、現在は「インフォーメーション時代の戦闘」によって「新しい世紀の挑戦」に対応しなければならないとの認識をもっている人物だと米メディアは伝えている。
この「包括的な見直し」作業がいつ終了するのかの日程はまだ公表されていない、とクイグリー国防省報道官は述べている(3月27日の記者会見)。
ラムズフェルド国防長官はブッシュ大統領との会談の翌22日、 ペンタゴンの軍部高官にブリーフィングを行ったと「ワシントン・
ポスト」紙(3月23日付)は伝え、ここにはシェルトン統合参謀本部議長は海外出張中で出席していなかったと報じている。
日本の各紙はこれを「太平洋重視への戦略転換」との側面だけで転電しているが、もうすこし、腰をかまえて動向を注視する必要があろう。
松尾 高志
2001.4.12記
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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