集団的自衛権行使を突破口に――自民党国防部会の提言(01/4/15)
自民党国防部会(依田智治会長)は3月23日、党本部で会合を開き、「わが国の安全保障政策の確立と日米同盟――アジア・太平洋地域の平和と繁栄に向けて」とのタイトルの文書をまとめ、発表した。これは同部会がこの2月2日から、週に1回のペースでこれまで8回の会合を開催して、とりまとめたもの。文書は自民党のホームページに和文とともに英文でも掲載されている。
その柱は、「アジア・太平洋地域」の「平和と安定」のためには 「日米安保協力の拡大・深化」が必要であり、当面
の「問題点」は 「集団的自衛権の行使」を可能とすべきことだ、との主張におかれている。
ここでは、現在の政府見解が集団的自衛権の行使を憲法の解釈として禁じていることが、新ガイドライン路線にとっての「限界」となっているとして、その理由を次のようにのべている――
○「米軍の軍事作戦が極めて複雑なもの」となる。
○「有事の際に、日米が共同で紛争の抑止にあたる場合に支障が きたす」こととなる。
○「平時の多国間共同訓練、PKO活動」への「大きな制約」にな っている。
そのため、その打開のための方法として(1)「従来の政府解釈の変更を求め」るとともに、(2)「例えば」として「国家安全保障基本法というような新たな法律」の「制定」の「検討」という二段構えの「提言」をしている。
「当面」は憲法解釈の変更だが、将来的には「基本法の制定」が必要だとしているのである。
こうした方向から、この文書全文を検討すると、そこにはそれにとどまらず、新ガイドライン路線を推進していくにあたっての日米両軍部の「要求リスト」とも言うべきものが提示されている。
ここでは、その中で、法的措置を求めているものを整理してみることとする。それは以下のごとき「リスト」となる――
○「国家安全保障基本法」の制定(前述)
○防衛「庁」の「省」への昇格
○「軍事秘密保全」のための「新たな法律」の制定
○「有事法制を含む緊急事態法制」の制定
○「領域警備に係る法制」の整備
○自衛隊の武器使用について「国際法規・慣例に基づき行動でき るよう」にするための自衛隊法の改正
○平和維持活動(PKO)法の「一層積極的に国際社会に貢献する ため」の改正
国防部会の文書で、和文で打開すべき「問題点」となっているところは、英文を見ると「チャレンジ(challenges)」(複数)となっている。
これらのことは、まさに日本国憲法に対する、新ガイドライン路線からの「挑戦」ではないだろうか? 再びくりかえすことになるが、われわれは傍観者となってはならないと強く訴えたい。
松尾 高志
2001.4.4記
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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