ブッシュ新政権の国防政策全面見直し(2)(01/3/5)
ブッシュ新大統領の2月13日(火曜日)のノーフォーク海軍航空基地でのスピーチは、軍事戦略の見直しの方向にふれて、次のよ
うに述べている――
「われわれは軍事技術の革命を目にしている。軍事力の向上を決めるのは規模のおおきさではなく、機動性と迅速性である。
「安全性はステルスと長射程の精密誘導兵器で得られる。
「われわれは長い間おろそかにしてきた既存の兵器と装備の近代化を進めるが、それは新しい戦略をささえる新しい技術にもとづき、慎重に、また選択的に進める。」
そして、兵器の近代化について具体的にこう述べた――
「陸軍については、重装備の戦力から軽装備の戦力にし、しかも決定的なところに使えるようにする。速やかに展開できるようにし、かつ、それに持続性をもたせる。
「空軍では、航空機と無人システムを活用して、世界中どこでも正確にピンポイント爆撃ができるようにする。
「海軍・海兵隊は、新しい方法で情報と兵器をリンクさせて、陸上へのパワープロジェクション能力を極大化させる。
「宇宙においても、商用・軍用の情報の流れにとって緊要な衛星ネットワークを防護する」
このような方向性をもった、ラムズフェルド国防長官の包括的な見直しの報告書は、「新しい軍事的地平、新しい軍事戦略ビジョンの出発点を画するものとなり、そして、軍事資産の配分の基礎となるであろう」とブッシュは述べたのであった。
その翌日、14日(水曜日)には、ブッシュ大統領はウェストバ ージニア州のチャールストンにあるイェーガー州兵空軍基地に飛んだ。ここにはウェストバージニア州兵司令部があり、州兵と予備役の部隊がブッシュ新大統領を迎えた。ブッシュ自身がかつては州兵のパイロットであった。ベトナム戦争中にテキサス州空軍に志願するという方法で前線行きをバイパスしたわけである。この時は予備役軍人が34万人動員され、約6000人が戦死している。
冷戦後の現在では、現役兵の削減にともなって、州兵、予備役の比重が重くなり、それまで以上に前線に動員されるようになっている。湾岸戦争では両者あわせて約20万人が動員され、現在ではボスニア、コソボにも派遣されており(全派遣米兵力の15〜20パ
ーセントを占めている)、またイラクの空爆任務にもついている。
ここでブッシュ新大統領は、対テロ対処や災害派遣など米本土での安全保障任務がより重要になる、と述べるとともに、海外に展開する平和維持活動について、今後は国益中心に慎重に対処するとの方向を公式に打ち出した。
ブッシュは州兵司令部での懇談会の席上、次のように述べたのである――
「わたしは世界中のすべての人のためにあらゆる仕事をしようとしていることをおそれている。
「われわれは米軍の任務を再定義することをはじめている。それは戦争で戦って勝つことである。ことが起こったらまずその場所で戦争を防止するということである。
「わが政府はコミットメントを守る。しかし、今後は部隊の派遣を慎重にし、軍隊の使用にあたっては分別
をもつ。
「わが国家は平和創造のため同盟国とともに働くが、戦闘当事者を引き離したり、その監視のために部隊を地上に派遣することは気がすすまないことを同盟国に理解してもらわなければならない」
松尾 高志
2001.2.22記
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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