ブッシュ新政権の国防政策全面見直し(1)(01/2/25)
ブッシュ新政権はその始動とともに、アメリカの軍事戦略の包括的な見直しに着手している。
ラムズフェルド氏は1月11日に開催された上院軍事委員会の国防長官指名承認聴聞会の席上、こう述べていた
―― 「大統領に選出されたブッシュ氏は強力な国防を公約している。したがって、もし、私が承認されれば、私の最初の任務のひとつは米国防政策の包括的な見直し(comprehensivereview)を行うこととなるだろう」。「このことは、抑止と防衛能力の模様がえとも言える変革(refashioning)を求めるものとなる。冷戦時代の古い抑止では21世紀の脅威に対処し、新しい安全保障環境を維持するには不完全である」
この包括的な見直しについて、米「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」紙(2月13日付)は、クリントン政権下の
「ボトム・アップ・レビュー」に対比して、「トップ・トゥ・ボトム・レビュー」(top-to-bottom
review)と命名している。また、 ペンタゴンはホームページに新しく「国家安全保障イニシアティヴ
――将来の軍事力」なるサイトを開設した。今回から、このことについて、連載的にウォッチングしてみたい。
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1月20日に就任してから、まず、減税問題に取り組んだブッシ ュ大統領は2月12日からはじまる週に、就任以来初めてワシントンを離れて、米軍事基地の巡回を開始した。このことは「強いアメリカ」を訴えてきたブッシュ新大統領が行動として、新たな軍事政策についてのシグナルを打ち出すデモンストレーションである。その最初の訪問基地はジョージア州のフォート・スチュアートであっ
た。
この記念すべきブッシュ大統領の最初のスピーチの冒頭、彼が米原子力潜水艦の暴挙の犠牲となった日本人に黙祷を捧げなければならなかったことは、まことに悲劇的であった。ここで追悼はしたが謝罪はしなかったブッシュ大統領は兵士の待遇改善、軍事施設の改善を打ち出した。
次いで、彼が訪問したのはバージニア州ノーフォーク基地。アメ リカ国内で唯一のNATO基地であり、編成がえによって新たに再編された米ジョイントフォースコマンド司令部の所在地である。
ここでも彼はまたスピーチの冒頭、訓練中に事故で死亡した兵士に黙祷を捧げざるを得なかった。まことに皮肉なことと言わなくてはならない。軍事強化のスピーチのたびに軍事力によって犠牲になった人間への追悼をしなければならないのだから・・・
ブッシュ大統領はここでは、NATO同盟の強化とともに、米軍の軍事改革について、次のように述べた
――「私の要請により、ラムズフェルド国防長官はアメリカの軍事についての包括的な見直しに着手している。これには軍事戦略、戦力構造、予算上の優先順位
が含まれている。
「私は彼に、アメリカとその同盟国の防衛についての新しいアーキテクチャーをデザインするために、原状維持に挑戦する幅広いマンデートを与えている。」
彼がこのことを公けの場で明らかにしたのはこれが初めてのことである。
松尾 高志
2001.2.16記
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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