自衛隊の戦時後方支援は[同盟の証]---日米防衛首脳会議(ワシントン)(01/12/25)
アフガニスタンで空爆と地上戦闘が行われている中、中谷防衛庁長官が訪米し、12月10日、ペンタゴン(米国防総省)でラムズフェルド米国防長官と会談した。
「読売新聞」(12月16日付)によると、中谷防衛庁長官は3枚の写真をラムズフェルド米国防長官に持参して提示したという。それには「自衛艦による米艦船への燃料補給」、「自衛隊輸送機に
よる米軍物資の基地間空輸」、「米軍座間基地での自衛隊の警護訓練」と英文でキャプション(説明文)がつけられていた・・・。これを見せながら、中谷防衛庁長官は「日本の努力はテロの脅威を除
去するとともに、強固な日米同盟の証(あかし)となるものです」と強調したそうである。
ラムズフェルド米国防長官は「日本の指導者たちが自衛隊の役割を進展させつつあることに着目している。これは健全であり、重要であり、高く評価している」と発言したと発表されている。
「東京新聞」(12月12日付)によれば、会談で中谷防衛庁長官が「米軍への支援はテロ撲滅に協力することもあるが、同時に日米安保の信頼性の向上も目指している」と述べ、米国防長官はこれ
に対して「100パーセント賛成だ。われわれは常に同盟がなすべきことを考える必要があり、テロ対策は同盟のために大事なことだ」と述べた。自衛隊の史上初の戦時後方支援作戦はまさに「同盟としての貢献」なのである。
中谷防衛庁長官は会談後の共同記者会見の席上、短い発言の中で
「アライアンス(同盟)」という言葉を2回も使用して、次のよう
に述べている――
「これは(自衛隊の海外派兵は)、最初の現実の重要な日米共同作戦だと思っている」
「テロとの闘いは日米同盟の新しい50年にとって、最初の挑戦であり、最初の試練である」
「私はわれわれの日米同盟を一層強化したいと決意している」
会談ではまた、前回の会談で合意した「日米の戦略対話」を来年1月に審議官クラスに自衛隊制服を参加させてスタートさせることでも合意した。これはブッシュ政権が新しい国防政策を推進しよう
としていることに対応して、防衛庁の防衛計画の大綱の見直し作業を進めるためのものでもある。9月11日事件(米中枢同時テロ)によって、ブッシュ政権は当面の最優先課題を対テロ戦争において
いるが、その後の世界戦略・国防戦略をどう構築していくのかを、戦略のレベルですり合わせておくことが肝要だと防衛庁が重視していることのあらわれである。
さらに、会談の中でこそ発言しなかったものの、中谷防衛庁長官が会談の前日に同行記者団との懇談の席で、「来年の通常国会で有事法制の法制化を実現したい」とワシントンで述べたことは、ラム
ズフェルド米国防長官に対する誓約だといっていい。
新たな日米同盟体制の強化が推進されつつあることを直視して、日本の進路を腰をすえて考えるべき時であると思う。
01/12/17記
松尾 高志
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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