中期防の重要な意味(01/1/25)
今年度からむこう5カ年間にわたる「中期防衛力整備計画」が昨年暮(12月15日)に決定された。これは新ガイドライン路線を推進する重要な自衛隊の軍備拡大計画である。総額約25兆円、年度にすると今年度から5年間、毎年約5兆円の規模で軍拡するわけである。
マスコミでは、この軍拡計画で新たに登場した空中給油機、長距離大型輸送機、大型ヘリ搭載護衛艦(「ヘリ空母」と報道したところもある)などにスポットがあてられ、その性能や機能がとりあげられて紙面
をにぎわした。これはこれで重要なことである。
しかし、報道の中ではとりあげられなかったが、極めて重要な別の問題がある。それは、この中期防(あるいは次期防)が、実はペンタゴン(米国防総省)と防衛庁との間で、課長クラスの専門家会合が設置され、その密接な協議を経て策定された、ということである。
これは昨年9月12日のワシントンでの日米防衛首脳会談(瓦防衛庁長官・コーエン米国防長官)で合意されていたことである。
ペンタゴンはその当時から、QDR(4年ごとの国防計画の見直し) の作業を実施中で、今年、新ブッシュ政権によって、その結論が発表されることになっており、それとの整合性を図るために日米の軍事官僚レベルでの協議が実施されたわけである。
したがって、この中期防では日米安保協力が重要な基軸として盛り込まれた。文書では第IV章として特筆されている。中期防全体で、ペンタゴンの対日要求に防衛庁が応えたわけである。最近の政治用語(スローガン)で言えば、日米で「パワーシェアリング」を実行しようという方向である。
もう一つ、報道されなかった重要なポイントがある。それは自衛隊と米軍による日米共同作戦計画(「共同作戦計画」と「相互協力計画」)策定の課題が、史上初めて、閣議決定としてオーソライズ
された、ということである。このことを定めた新ガイドラインの文書は閣議決定文書ではなかった。しかし、このことを盛り込んだ「中期防衛力整備計画」は安全保障会議と閣議の決定文書である。
憲法で戦争を放棄した日本国の政府が、戦争計画を策定するということを閣議決定したのである。こうした政府の行為をわれわれは許してはならない。新しい年のはじめに、決意を新たにのぞまなければならないと強く訴えたい。
松尾 高志
2001.1.15記
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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