「ガイドラインPKO」に進む自衛隊(01/1/15)

  「防衛庁は13日、5月にタイで実施される米国・タイ合同軍事演習にオブザーバー参加する方針を固めた」と「読売新聞」(1月 14日付)が報じている。

 この演習は「コブラ・ゴールド」と呼ばれ、東南アジアで最大規模の軍事演習で、1982年から毎年行われている。今回、自衛隊からは陸、海、空各幕僚監部の佐官クラスが参加する、と同紙は伝えている。

 昨年、南シナ海での多国籍潜水艦救難演習に「人道目的」を理由に海上自衛隊の艦艇を参加させた実績をふまえて、いよいよ、アメ リカ軍が主導するアジア・太平洋地域での多国籍軍事演習への自衛隊部隊の参加にむけて、防衛庁・自衛隊の得意技であるステップ・ バイ・ステップ方式で、進もうとしていることをこの報道は示している、と言えよう。

 ここで、フォーリー駐日米大使が防衛大学校で昨年10月16日 に行った講演を紹介することする。というのは、ここにアメリカのこの問題についての政策方向が示されているからである。全文はアメリカン・センターのホームページに日本語でも掲載されているので、さらに知りたい方はそこにアクセスされたい。

フォーリー大使は、次のように述べている(抜粋/大要)
 「われわれは今後の日米同盟関係が明らかに直面する新たな課題を検討し、それに取り組む措置を講ずる必要がある。その課題の一つは、多国籍の平和維持活動がより必要とされていくことである。
 「アジア・太平洋地域でも平和と安定を脅かす可能性のある問題に対処するための集団行動の必要性も高まってきている。
 「日本は国際貢献をしてきているが、問題は、日本が十分な貢献をしているかどうかではなく、さらにできることがあるかということである。最近の東ティモール問題では、残念ながら現場での自衛隊の関与は非常に限定されたものであった。「私は、日本にその準備が整ったとき、日米両国が同盟国として、平和維持活動および人道支援を最も効果 的に行うための訓練や作戦を調整することを提案したい」。

 平和維持活動は、PKOと称されているが、重要なことは新ガイド ラインにこのことがすでに盛り込まれている、ということである。 従って、私は日米同盟強化の新ガイドライン路線に沿ったPKOについて「ガイドラインPKO」と名付けてきた。

 昨年の「リムパック」演習でも、平和維持活動、人道支援活動が盛り込まれていた。今回の「コブラ・ゴールド」演習にもその演練項目に平和維持活動が盛り込まれることになろう。

 アジア・太平洋地域の情勢をどう見るか、アメリカがそれにどう対応しようとしているのか、をあらためて検討する必要があるのではないだろうか?

 防衛庁・自衛隊はアメリカの政策に積極的に協力していく方向をすでに打ち出している。「新ガイドライン」路線がもっている裾野の広さをしっかりと見据えることが重要である。

(「平和新聞・秋田県版」1月発行掲載)

               松尾 高志
2001.1.7記

 

この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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