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MOOTWを推進する自衛隊 (00/8/5)「朝日新聞」(7月24日付)が次のような注目すべき事実を報道した ―― 「5月30日、防衛庁内で、自衛隊の訓練のあり方を論議する幹部会が開かれた。「戦争以外にも軍を活用し、任務を広げる米国とどこまでつき合うか」といった議論もなされた。日米関係の重要性という点では一致したが、明確な結論は出なかった。」これは今年の米第3艦隊主催の「リムパック2000」多国籍演習の直前のことである。今年、この演習に「ストロング・エンジェル」 と名づけられた「人道支援」作戦が初めて組み込まれたことは本欄でも指摘してきた。 米軍は冷戦後、「ミリタリー・オペレーション・アザー・ザン・ ウォー」(Militry Operation Other Than War=MOOTW、戦争以外 の軍事作戦)という概念を導入して、新たな軍事戦略環境に対応する軍の存在意義を改めて強調する方向に踏み出している。この線上 に「リムパック2000」があったわけである。 自衛隊は、結局、「ストロング・エンジェル」作戦には軍医を含む幹部自衛官3名を「オブザーバー」として派遣するにとどめた。これが多国籍軍演習であったことがネックとなったのである。 この点について、山本安正前海上幕僚長は、前述の「朝日新聞」 でのインタビューにこう答えている ―― 「全くの私見ですが、当初は、かなり無理をしてリムパックに参加したように思う。だが演習は法で規制しない方がいい。あらゆる可能性に対処できるよう、訓練だけはできるようにすべきだ。ただ、このままでいいのかという疑問が残る」と。 「疑問」が残ったままで、自衛隊による、このことの既成事実づくりが始まっている。 陸上自衛隊については、こう報道されている ――「米国が紛争処理、平和維持活動を想定しタイ、オーストラリアなどの各国と新たな多国間軍演習を来春から計画、政府も2002年度からの陸上自衛隊を中心とした部隊参加を念頭に、自衛隊幹部をオブザーバー参加させる方針であることが18日、明らかになった」(「沖繩タイ ムス」7月19日付)。 来春の米・タイ合同演習「コブラ・ゴールド」の拡大版としての多国籍軍演習への参加を、6月に打診され、「2002年以降の本格的部隊派遣を視野に」入れて、方針を固めたという。これが実現すれば、陸上自衛隊は自衛隊史上初のこととなる。 海上自衛隊については、すでに着手された。「読売新聞」(7月 19日付)はこう報道している――「海上自衛隊は18日、今秋シンガポール沖で予定されている多国参加型の「西太平洋潜水艦救難訓練」に参加することを表明した。近く開かれる調整会議に幹部を派遣する」。海上幕僚監部では、今回、「人道的活動を前提としており、救難技術を相互に披露し合うことが趣旨で、問題はない」と しているという。計画されている訓練は、海底に沈んだ潜水艦から乗員を救出する活動で、アジア数カ国の海軍が参加する見込みで、 海上自衛隊からは深海救難艦(DSRV)を搭載した潜水艦救難母艦などが派遣される。
松尾 高志
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