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東南アジアに進出する自衛隊 (00/5/15)自衛隊の東南アジア――新ガイドラインでいう「周辺地域」であ る――への「進出」が本格化しようとしている。 これまで自衛隊は東南アジアにむけては、PKO (平和維持活動)として、カンボジアに続いて、西チモールに部隊を派遣しているが、 このほか、「邦人救出」作戦の「準備行為」として、タイとシンガ ポールにC―130輸送機を前進展開したことがある。が、今回は それをさらに一歩進めるものである。 これは、今年の秋、シンガポール沖で、東南アジア数カ国と米国 が実施する多国間海軍演習に海上自衛隊がはじめて参加することとなったものである。防衛庁の佐藤謙事務次官が4月10日の記者会見で発表した。これまでは二国間演習しか自衛隊は実施してこなかった、事実上の多国間演習であっても、それを切り離して、あくま でも、「日米共同演習」だと強弁してきた。今回、初めて多国間演 習としてのものに参加するに至ったのである。 演習の内容は、沈没した潜水艦の乗組員を各国が協力して捜索し、 救助する、というシナリオにもとづいて行なう「潜水艦事故捜索・ 救難訓練」である。海上自衛隊は現在、潜水艦救難艦「ふしみ」 (1、430トン)と、救難母艦「ちよだ」(3、650トン)を 保有しており、救難艦の派遣を検討している。 この演習参加は、5月2日にシンガポールを訪問して、トニー・ タン副首相兼国防相と公式に会談し瓦力防衛庁長官が、防衛協力の一環として実施することで合意した。 瓦防衛庁長官はこのほか、東南アジア地域で紛争が発生した際に在外邦人の救出作戦のために自衛隊の航空機と艦艇がシンガポールの軍事基地を適時、使用できること、また、東南アジア地域でPKO (平和維持活動)を自衛隊が実施する場合にもシンガポールの軍事 基地を使用できることで合意した。 瓦防衛庁長官とタン国防相は、これらの前提として、東南アジア地域での米軍のプレゼンスが平和と安定に寄与しており、両国がそれぞれの立場で米軍を支援することでも合意した。 自衛隊とシンガポール国軍は今後、陸・海・空別の幕僚間の実務者会議の実施、機雷掃海分野での共同セミナーの開催などを行なっていくことでも合意した。 自衛隊は「人道」目的を前面におしだして、東南アジア地域に段階的に進出していこうとしている。「日本軍国主義」の「復活」はありえないとし、「日米安保の傘」をフル活用して、であることに注意する必要があろう。新ガイドライン路線をしいた橋本首相は東南アジアにたいして、「日米安保」は東南アジアの平和と安定のための「公共財」だと宣伝していたことを思い起こすのも無駄 ではあ るまい。新ガイドライン路線は着々と進行しているのである。
松尾 高志
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