「あぶない検討会」スタート (00/4/25)

 防衛庁は、憲法で非合法とされている「戦争」を「合法的」に遂行するための、「あぶない検討会」をスタートさせた。

 3月17日の記者会見で瓦力防衛庁長官は「交戦規則(ROE)」 などを策定するための検討会を防衛庁内に設置することを表明した。 この際、瓦長官は次のようにのべた――「議論されていながら、まだ整備されていないマニュアルがある。この際、わたしも加わり勉強しておく必要がある」(「赤旗」3月18日付)。

 3月30日、その第1回会合がもたれた。 防衛庁の事実上の機関紙「朝雲」紙(4月6日付)は、このことを、「『運用上の重要問題に関する研究』をテーマとする初会合」と呼称している。

 このメンバーが報道されたが、それによると、瓦防衛庁長官、依田総括政務次官、西川政務次官、(以上政治家)、佐藤事務次官、 守屋官房長、首藤防衛局長、柳沢運用局長(以上、内局=シビリア ン)、藤縄統合幕僚会議議長、磯島陸幕長、藤田海幕長、竹河内空幕長、野中情報本部長(以上、制服=ミリタリー)の12人である。 額賀防衛庁長官時代の「重要事態対応会議」のメンバーに、今回、「副大臣」として格上げされた政務次官が新たに参加することにな ったわけである。

 この会合は「朝雲」紙によると、「自衛隊の運用に関する諸問題について、日ごろから検討状況を防衛庁長官に報告するとともに、 関係幹部が一堂に会して議論を行なうことで、運用上の重要問題に関する認識を統一しておくのが狙い」だという。

 瓦防衛庁長官は会合の冒頭、事実上の外国の「交戦規定」(ROE) にあたる行動基準について、「自衛隊の部隊がシビリアン・コントロールの下、法令を順守しつつ任務を遂行するに資する手順・要領といったものを逐次整備することは重要な課題の一つだと認識している」と述べた(「産経新聞」(3月31日付)。

 4月12日、この第2回会合では、瓦防衛庁長官は、有事の際の自衛隊の交戦規則(ROE)や武器使用基準などを含めた「部隊行動基準」の策定に入ることを指示した。ここで、自衛隊史上はじめて 「部隊行動基準」なる用語が創出されたが、「交戦権」を禁じた憲法を意識して「交戦規則」との言葉を表に出さないように小細工したものである。

 ここで重視しておく必要があることは、この会合は単に「交戦規則」を定めるだけではなく、相当に幅広く、またロングレンジに自衛隊の部隊の運用(オペレーション=作戦行動)のありかたを策定、研究するものであるようであることである。

 前出の「朝雲」(4月6日付)は、こう述べている――「研究会は今後、月に2回程度の会議を開き、国連平和維持活動(PKO) や海上警備行動の際の行動基準をはじめ、領海警備活動、総合防災訓練などについて検討、さらに原子力発電所事故の対応、中長期的な指揮通 信関係の運用研究、サイバーテロなどを念頭においたRMA (軍事革命)なども研究対象に上がっている」としている。

松尾 高志
2000.4.16記

この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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