「キーン・ソッド01」際終盤へ(00/11/25)
朝鮮半島を中心として極東アジアで平和にむけての歩みと模索が 確実に進展しているこの時、日本及び日本周辺海・空空域では、新ガイドライン路線にもとづく、「周辺事態法」施行後初めての「周辺事態」を想定した日米両軍による軍事演習が大々的な規模で展開
されている。
日米統合連合実動演習「キーン・ソッド01」は終盤戦に入って いる。
これに連接して実施されている海上自衛隊の自衛艦隊総合訓練の一部としての日米共同演習について米第7艦隊広報部(横須賀)は、
米側の呼称では「ANNUALEX12G」に参加している艦艇を発表した。 それによると、空母バトルグループである「タスクフォース70」
(空母「キティホーク」、ミサイル巡洋艦「チャンセラービル」、 同「カウペンス」、ミサイル・フリゲート「ギャリイ」、駆逐艦
「カッシング」、ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マッケイン」、原 潜「ホノルル」)が参加している。また、「タスクグループ72」
として哨戒機部隊も参加としている。演習の米側の指揮は「タスク グループ70」司令官ロバート・ウィラード中将がとる。
海上自衛隊舞鶴地方総監部によれば、訓練海域は次のとおりである――九州西方海域〜山陰沖〜日本海中部海域〜津軽海峡周辺海域
〜本州北部海域である。
一方、「キーン・ソッド01」演習では、11月7日、米海兵隊岩国基地(山口県)でのNEO(非戦闘員退避作戦)訓練が報道陣に公開された。訓練は岩国基地を「紛争で混乱する外国の空港」とみなして、そこに集合した邦人と米国民を空路、日本(築城基地)に脱出させるとうもの。邦人役は自衛官が、米国民役には米兵があたった。機関銃や小銃を肩に担った陸上自衛隊・第1空挺団で組織する「誘導隊」も参加した。が、訓練は空港に着いた場面
から開始され、襲撃の想定はなかったという(「朝日新聞」11月8日付)。
海外では邦人が在外公館などの集合地点に集まることになっており、 空港や港への移動中が最も危険とされるが、それがなく、「こんな安全な場面
は実際には考えにくいのでは」との問いに藤縄統合幕僚 会議議長は「今回は基本的なことをやっている」と答えた(同上)。
また、捜索・救助作戦の訓練も日本海で実施されたが、これも今回、「戦闘地域と一線を画した地域」と想定された。
これらについて、前出の「朝日新聞」は以下のような興味深い幹部自衛官のコメントを掲載している――
○「どのように安全を確保するのかを明確にしなければ、訓練は絵にかいたもち」だ。
○「法律ができたので、それに合わせた訓練をせざるを得なかった」。
ここには、さらに一歩踏み込みたいとの本音がうかがいとれる。
それはそれとして、実際には「周辺事態」を想定した軍事演習が大々的に展開されているわけであって、こうした日米軍部の動向は、かれらの論理からする「抑止」を重視するものである。
朝鮮半島を中心とする平和への胎動という情勢を考える時、それになじまない行動であり、時代錯誤とも言えよう。
松尾 高志
2000.11.15記
この記事は平和委員会が発行する平和新聞(月3回発行)に掲載されています。
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