![]() |
日米安保の戦略対話はじまる (00/10/5)虎島防衛庁長官とコーエン米国防長官との日米防衛首脳会談が9 月12日(現地時間)、ワシントンの米国防総省で開催された。ニ ューヨークで開催された日米安保協議委員会の翌日のことである。 会談で両者は防衛庁の「中期防衛力整備計画」(次期防、01年 〜05年)と、米国が来年行う「QDR」(4年ごとの防衛計画の 見直し)に関して意見を交換する課長級の専門家会合を設置することで合意した。 これは虎島防衛庁長官が「次期防の策定とQDRの見直しは時期的に符合しており、双方でその中身について緊密に意見交換をしていくことができれば有意義だ」と述べ、その設置を提案し、これに対してコーエン米国防長官が「かねてから日本との戦略対話を重視していた。政策や装備などいろいろな面で、戦略対話をグレードアップさせたい」と賛同して、決まったものと事実上の自衛隊の機関紙「朝雲」(9月21日付)が報じている。コーエン米国防長官は 大規模災害や生物・化学兵器などへの対応も協議したいとの考えを示したという。 日米間で、兵器調達や部隊編成など予算措置を伴う、このような防衛力計画についての協議は公式には初めてのこととなる。日米間 のより一層緊密な「同盟関係」の構築をこのことは意味している。 ここで、コーエン米国防長官が語ったという「戦略対話」という 言葉は極めて重要である。次期防もQDRも単なる兵器調達計画で はなく、この先4〜5年にかけての中期的な軍事戦略を規定するものであり、部隊の運用構想、兵力の構造などがテーマとなるからである。 この中で、アジア・太平洋地域の情勢分析とそれへの対応が当然に議題として登場することとなろう。 すでに「世界週報」(6月27日号)は「機が熟した日米「戦略対話」」と題する論文を掲載しており、そこで「米政府内部でも、 日米安保政策の実務責任者たちは、日本との戦略対話が必要と認識している」と報じていた。同論文はこの「戦略対話」のテーマとして「朝鮮半島の軍事的緊張が大幅に緩和ないし解消した場合に、ア ジアにおける米軍の兵力と基地にどんな役割を与えるかは、日米戦略対話の一大テーマである」とし、また、台湾海峡における事態に 日米がどのように対応すべきか「日米間でこれを曖昧にすることはできない」とも指摘していた。 アジア・太平洋地域に対して新ガイドライン路線で進むにあたっ ての緊密な「日米同盟」体制の運用、政策調整を行うということである。こうした新しい協議機関の設置は、新ガイドラインの用語で言えば「平素から行う協力」の推進でもある。 日米軍事同盟の強化は、アジア・太平洋地域の真の平和と安定にとっては、逆行するものと言わねばならない。
松尾 高志
|
|
|